一級建築士とオンライン定期講習
コロナ禍で定期講習のオンライン対応ができるようになって3年。2022年7月掲載ブログをアップデートしています。育児休暇中の建築士のお話を交えながらの内容です。
楽しくも厳しい建築の世界で子育ても並行して奮闘されている方。もし、今、ご自身や奥様がそんな環境にあれば、少しでも励みになりたいと思って書いています。お気軽にお付き合いください。
一級建築士定期講習
【一級建築士定期講習】とは、「建築士法の規定により、建築士事務所に属する建築士は、3年ごとの建築士定期講習が義務付けられています」ってやつですね!
※受講のタイミングが分からない方はこちら
私は、長男と次男の2回、育児休暇中に定期講習がやってきました。オンライン対応前のお話です。
対面講習×育休
私は過去2回、乳飲み子を抱えて対面講習を迎えています。
寝るか泣くか、機嫌の良い時はそんなに続かない、抱っこ以外は有り得ない、それがうちの赤ちゃんでした。そして、生まれてからずっと、母と離れたことがない我が子にとって、9:30~18:00近くまで開催される定期講習なんて晴天の霹靂、寝耳に水。おまけに平日開催。
私は困りました。なぜなら彼らは母乳こだわりタイプで哺乳瓶が嫌い。一時預かりもはじめてになるため難しいだろうなと。逆にこちらも飲んでもらわないと、どんどん人体工場で生産されるため、痛くて定期講習どころではない、そんな状況です。本当によくできた需要と供給関係です。
そして、以下を計画します。
修了証までの手順
Step01.申込み
Step02.受講先へ事情を連絡
Step03.確約
Step04.講習&授乳
Step05.終了考査
さて、オンライン最新情報を交えながらお話を進めます。
Step01.申込み
私の場合は、通知が来たN学院でそのまま申込みましたが、(公益)建築技術教育普及センターをはじめ、他の資格学校や審査機関でも開催しています。登録講習機関一覧
受講費用は10,000~12,000円程度でばらつきがあります。
オンライン講習可能な機関はPC上で講習を受けた後、別途会場にて筆記である終了考査を受けるパターンが多いです。終了考査もオンラインOKは、(公益)建築技術教育普及センター、確認サービス、総合資格学院でしょうか。
Step02.受講先へ事情を連絡
(ほとんどの皆さまはこの手順は不要かと思います。)
受講先に連絡しました。
「育休中で赤ちゃんがいます。1,2回どこか空き部屋があれば休憩時間にお借りできませんか?なければお手洗いでも。赤ちゃんは主人が連れていきます。」と主人が連れていく前提で、意を決してその旨伝えたのですが、ありがたいことに二つ返事で「大変ですね。いいですよ。」と快諾いただけました。
その節はN学院東京上野校(長男)、名古屋駅校(次男)の皆様、大変お世話になりました。(恐縮)〈日建学院『一級・二級建築士定期講習』〉
よし、先様の了承は取れた。次は主人だ!
Step03.確約
(ほとんどの皆さまはこの手順も不要ですね。)
このミッションを成功させるには家族の協力はマスト。まだ誰にも預けたことない赤ちゃんだし、両親より旦那様の方がわがまま言えるもんね、と心の広い旦那様に当日の有給取得と休憩時間に合わせて2回赤ちゃんを会場へ連れてきてほしい、と申し出ました。こちらも快諾。順調です。
Step04.講習&授乳
いよいよ当日。受講先で受付時に事務の女性の方から「この部屋を使ってください。見えないように目隠しもあります。」と言われました。なんという心遣いでしょうか。
講習は動画を見ながら事前配布されたテキストにマーキングをしていきます。
建築基準法、建築関係法令、建築士法など、法改正があった部分を中心に進めます。200ページ以上のテキストですが、動画では終了考査に出題される部分もしっかり教えてくれます!必ずマーカーと付箋をお忘れなく!
久しぶりの座学に頭から煙を出しながらも、休憩時間は赤ちゃんを連れて会場入口まで来てくれた主人と合流し、無事授乳タイム。赤ちゃんの匂いに癒されます。吐き戻しするぐらい与えられて眠りについた我が子でした。
さあ、まだ母にはやることがあるのだ。
Step.05終了考査
終了考査です。60分で40問。
テキストは閲覧可能です。そのため難易度は高くないですし、時間切れの心配もないでしょう。満点も目指せます。終了証は約一か月を目途に交付されます。
全日終了。長い一日です。
私に限って言えば、周囲の方々の協力なしでは成しえなかったことです。感謝しきりです。
さいごに
今回は〈対面講習×育休〉なマイノリティエピソードでしたが、お付き合いいただきありがとうございました。一時預かりが大丈夫そうな赤ちゃんであれば、そういったサポートをぜひ利用していただきたいと思います。
コロナ禍で定期講習のオンライン対応ができるようになって3年。終了考査まで含めたオンライン対応の機関も増えました。個人的には対面講習でがっちり受講するスタイルが好きですが、育休中のあの頃ならオンラインを選択したでしょう。
乳児を長時間預けることは容易ではありません。ご家族や身近な方の協力なくしては難しいのが現実です。特に産後一年は日々疲れています。少しでも育児が楽になるように、今後も共有していけたらいいなと思っています。
おまけ
(公益)建築技術教育普及センターサイトで、建築士定期講習に関するFAQに以下の質問があります。ご参考に引用いたします。
Q6.現在妊娠中や療養中、休職中、海外出張中等、何かしらの理由で建築士定期講習の受講が難しい場合はどうしたらいいですか?
A6. 建築士法上、建築士事務所に所属する建築士は3年ごとの定期講習受講義務が生じています。どうしても難しい場合は、行政にお問い合わせください。 一級建築士免許証をお持ちの方:お住まいの地域の国土交通省地方整備局(外部サイト) 二級建築士又は木造建築士免許証をお持ちの方:登録都道府県の担当課(外部サイト)
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